冬のブルーハワイ
2006/01/06(Fri)
bluehawai


ブルーハワイと言えば、ラムベースの飾り付けの美しいカクテル。
マイ・タイ、チチと並ぶトロピカルカクテル♪
ブルーキュラソーの美しい青が、南国の海を思わせて、
ビーチで飲んでいるのには最高だなぁ〜と本当に思う☆彡

むかぁ〜し、カクテルと言えば、このブルーハワイか、あの大好きなスクリュードライバーしか知らなかった。
それ以前に、幼い日々には、ブルーハワイはお酒ではないのだと思っていた(笑)
カキ氷の上からかけられる、あの甘いシロップのイメージがあまりにも強いせいかそう思っていた。
そうしたこともあってか、私の中ではちょっと特別なカクテル、ブルーハワイ。
とは言え、あまり飲む機会というのもない。何しろトロピカルカクテルは、見た目がとても派手(笑)
それはそれで美しくて好きなのだけど、そう頼めるものでもない。
行き慣れたBARならいいのだけど☆
花を飾ったりするせいか、やはり夏の海。という感は強い。
真冬に落ち着いたバーカウンターで、このお酒を飲んでいる人を見かけたら、それはもう〜興味深々になってしまうだろう(笑)
ましてや、男性が飲んでいたら、好奇心に負けて声をかけずにはいられない。
まぁ、残念ながらそんな人を見かけたことは一度もない(笑)



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柔らかい照明が辺りを満たしている。
カウンターには恰幅の良い男がオールドファッションドを傾け、その3つほどを空けて、一組のカップルが色鮮やかなカクテルを飲んでいた。
カウンターの一番端で、ブルーが眩しいトロピカルカクテルを美味そうに飲む若い女が一人で座っている。

クラッシャーで細かく砕かれたクラッシュドアイスのサクサクという音が、そっと女の指に添えられたストローから聴こえる。
飾り付けの蘭の花をグラスの端で弄ぶと、楽しそうに口元を緩めた。
外は雪。
人々が定番カクテルや、ホットカクテルを飲んでいる中で、女が飲む南国を思わせるカクテルは、少し違和感を持たせた。
それでもそのなんとも言えない微笑ましい姿が、心地よかった。

「あの、チェイサーを頂いてもよろしいですか?」と少し恐縮したように小さく呟く。
女性には良く見受けられる。こうした酒の場で、チェイサーを頼むのが少し悪い気がするらしい。
そんな想いを汲み取って、私は女に微笑みかけながらゆっくりと頷いた。

女はあまりアルコールに強くないようで、先ほどからカクテルとチェイサーを交互に飲んでいる。
酒も楽しんでいたが、どちらかと言えばこの場所の雰囲気を楽しんでいるように思えた。
目の前に広がる酒棚の見知らぬ瓶に、強く心を惹かれているようでずっと見つめている。
ラベルの文字でも追っているのだろう。口元が微かに動く。
私も昔、酒のラベルを見ているのが好きだった。
それぞれ個性的なラベル。意味のある絵がついていたり、由縁のある名だったり。
その酒の歴史を知るような気がして面白みがあった。
女もそんな風で、飽きもせず凝視している。

『何か気になるボトルでも?』
店内の慌しさも収まり、私はいまだ懸命にボトルを眺めている女に話しかけた。
「あの、ボトル。」と女は照れたように指差す。
水色のラベルの中に、帆を張った外国の船がプリントされたボトルだった。
『レモンハート・ホワイトという名で、ラムです。カクテルのベースには最適のラムで、甘い香りが特徴的で理想的なラムです。』
私は指差されたボトルの説明をした。
女は瞳を輝かせて話を聞いていた。
普段あまりそうした話はしないようにしていた私は、妙にくすぐったいような、恥ずかしいような気分になり少し俯いた。
女の興味はそこから膨らみ、「あのボトルは?」とまた指を差した。
『どれです?』
「あの、蝶がついているお酒です。」

私はふっと可笑しくなって笑った。
女が最後に「お酒」と言ったことが妙に笑えたのだった。
語尾にそんな言葉をつけなくても、ここには酒しかないのだ。
女にとってはそれが非日常のことなのだろうとすぐに分かった。
私にとっては、ジュースが並んでいることの方が非日常なのだから。

「あ、ごめんなさい。」笑った私に、女は何かを思ったのだろう、小さく謝った。
『いえ。あのボトルはマルキ・ド・コサードというブランデーです。あの蝶は、より高くという飛躍の意味があります。』
「へぇ、そんな意味が。素敵ですね。」
女はそう言うと、ブルーハワイを一口含んで楽しそうに目を細めた。
「じゃぁ、あのドクロがついたお酒は?」
女がまた指差したボトルの中央には、帽子を被ったドクロが描かれていた。
『あぁ、あれはブラック・デスジンです。あのボトルはジンですが、同名でテキーラなどもあります。』
本当に、
『え?』
「本当に何でもご存知なのですね?」
女は俯いて恥ずかしそうにそう呟いた。当たり前だろうということは分かっているが、それでも言わずにはいられない、といった風だった。
『えぇ。ここにあるものなら何でも。』
「やっぱりそうなんですね。大変そう。」
と無邪気に微笑むところをみていると、とても妖艶とは言えなかったが、どこか安心するような微笑みだった。
今更になって、どうして一人でこんな場所にいるのかと思えてくる。

「あの、あの青いラベルのエンジェルは?」
女がもう一つボトルを指差す。
『あれはウヰルキンソン・ウォッカです。』
「ウォッカってクセがないんですよね?」
『えぇ。強い香りはありません。』
女は誰かに教わった、とでもいうようにそう告げた。
その頃にはようやくブルーの海の潮がひいたようだった。
女はチェイサーを飲み干すと、小さく息をついた。

『もう一杯、チェイサーをお出ししましょうか?』と言うと、女は頷いた。
チェイサーを用意する短い間に、女は振り返り扉を見つめた。
女が時間と周りを気にしたのは、それが初めてだった。
『どなたかお待ちですか?』軽く尋ねると、女は慌てて正面を向いた。
「あ、えぇ。いえ。待ち人来たらず…といったところです。」と少し切なそうに、けれど薄く微笑みながら応えた。
『そうですか、何時になるとか?』
「いえ。何も。」
女は、”いいんです”と言って、新しいチェイサーを一口飲んだ。

「あの、あのエンジェルのお酒で何かカクテルを作ってくれませんか?」
女がウォッカのボトルを指差して言ったが、クセがなくてもアルコール度の高い酒。心配になって尋ねた。
『ウォッカですが、よろしいですか?』
「えぇ。待ち人も来ませんから、酔っても構いませんし。」と女はコトコトと笑った。
『どんなカクテルになさいますか?』
「私は良く知りませんから、何かオススメのものがあれば。」
女はまた楽しそうな目をして、私の手元にあるウォッカのボトル見つめた。

私はいくつかのウォッカベースのカクテルを思い浮かべた。
女が好むようなトロピカルカクテルであるチチや、ソルティードッグ、モスコーミュールが次々に浮かんできた。
しかし私はふと天井を見上げると、浮かんだ各種のカクテルを消して、別のカクテルを作り始めた。

「わぁ、きれいなオレンジ色。」
嬉しそうに瞳を輝かせると、オレンジの香りを楽しんでいる。
「なんていう名前ですか?」
『スクリュードライバーです。』

何故あのいわくつきのカクテルを作ったのか、それは分からなかった。
待ち人が来ないことを思ってのことか。それ以外か。
女がグラスを傾けるのを見つめながら、(スクリュードライバーというよりは、シンデレラカクテルのようなもんか。)と、ウォッカの分量を思い出して、心の中で微笑んだ。
通常のレシピより、大幅にウォッカの量を減らしていた。
これならチェイサーをたくさん飲まなくても、そう酔うこともないだろう。

微笑みの眩しい女には、シンデレラカクテルの方が良く似合うように思った。

「美味しい。」
にっこりと微笑む姿を見ていると、気恥ずかしい思いと、女を待たせた男が気にかかって仕方がなかった。
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コメント
こんばんは
只今店内は、嵐の前の静けさです。(誰もいない・・・)
気を取り直して、

いいね!バーでの待ち合わせは、
自分は20才ぐらいからずーっとこの仕事だから、
いつも逆の立場です。
今度待ち合わせのお客様がみえたら、

スクリュードライバーを、だしちゃいますね!
(もちろんシェ−クです。)

2006/03/10 21:20  | URL | マスター #-[ 編集] |  ▲ top
待ち合わせ☆彡
こんばんは☆彡
今日はエアスポットのような、静かな時間があったようですね♪
そんな日も良いかもしれません☆彡

そうですか、20くらいからそのお仕事を♪
ステキですね〜☆彡
そうですね、いつもはお客様の待ち合わせに花を咲かせてくれるのが、マスターのカクテルですね♪
色々な思い出と共に、マスターが作ってくださったカクテルも思い出に仕舞われていくわけですね☆

そうかぁ〜、立場が逆ですからね。そういうのはないのですね。
では、わたくしとお待ち合わせしましょうね?(笑)
少〜しの気の長いお話かもしれませんが、きっとですe-266
エンゼルv-282が遊びに行きますからね♪
あら、スクリュードライバーを出して下さるのですか?
しかもシェークで?v-290e-266
わぁ〜とっても楽しみ〜♪
益々早く行きたくなっちゃうじゃありませんかぁ〜(笑)
じゃぁ〜、どこにも行かずに待っててくださいね?e-266
Dropちゃん、飛んで参りますから☆彡(笑)
2006/03/11 00:36  | URL | 麻葵 #1jhbtX.k[ 編集] |  ▲ top
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2008/07/02 09:17  | URL | いいじゃん #MRh67vr.[ 編集] |  ▲ top
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